1981 年は技術革新に恵まれた年でした。IBM が Microsoft という小さなスタートアップのソフトウェア会社によって作られた「MS-DOS」として知られるソフトウェアを搭載した最初のPCを発表しました。これを受けて、議会は「試験研究費税額控除」の初版を制定しました。これが、「研究開発の税額控除」として知られています。それ以来、技術は大きく進歩してきました。そして、税務上の観点から、研究開発費控除と関連規制は頻繁に変更されています。そのため、企業のソフトウェアや技術への投資を見直すこと、研究開発の税額控除に適格な費用として認められる研究開発(R&D)費が含まれているかどうかを判断することが常に求められています。
研究開発の税額控除の基本情報
研究開発の税額控除の対象となるのは、事業活動に関連した費用である場合です。
- 工学やコンピュータサイエンスを含むハードサイエンスを使用している場合。
- ソフトウェアプログラムや技術プラットフォームを含む、新製品または改良された製品やプロセスを開発している場合。
- 技術的な不確実性を排除するために、テストを含む一般的な実験プロセスを使用している場合。
多くの企業が研究開発の税額控除の適格性を見落としているのは、これまでに行われたことのない開発を行っている場合を除いて、ソフトウェア開発の努力が税額控除の対象となる可能性があるとは考えていないからかもしれません。また、それらの努力が未だに技術的な不確実性をある程度解決していると考えていないからなのかもしれません。上司や顧客、市場が何かを要求してきたら、私たちは、その要求に応えるために積極的に行動します。しかし、どのような要求に応じることができるか、不安になることもあるかもしれません。調査、コーディング、QA テスト、そして税額控除の基準を満たす製品をリリースするというのは、繰り返して行うプロセスです。
安全な接続方法を利用して、ユーザーがリアルタイムかつインタラクティブな方法で機密性の高い顧客情報にアクセスできるような管理を求めているため、ますます多くの SaaS(サービスとしてのソフトウェア)企業が税額控除の対象となる費用を負担しています。保険会社は、州や地域のルールに合わせて、具体的なソリューションを開発しています。ヘルスケア事業者は、患者と医師を結びつけ、データに基づいた意思決定をこれまで以上に効果的に行うために、カスタマーポータルを作成しています。業界に関わらず、システムアーキテクチャ、コード開発、インターフェース設計、テストにかかる費用は、研究開発の税額控除の対象となる可能性のある技術投資の種類です。
社内利用ソフトウェア
また、人事管理や財務・会計システムなどのバックオフィス型の業務など、一般に事務用として利用される社内システムの改善に向けて、企業が大規模な開発プロジェクトを進めているケースもあります。企業が社内で使用するソフトウェアを作成するために発生する費用も税額控除の対象となります。しかし、そのような努力は、上記の基本的な研究開発税額控除のルールに加えて、以下3つの努力基準を満たす必要があります。
- ソフトウェア開発に多大なリソースを投入し、技術的な不確実性のために大きな経済的リスクを伴う努力。
- すでに市販されているソフトウェアでは対応できないニーズを満たすために、大幅な変更を加えずに、購入、リース、またはライセンスのためにソフトウェアを作成する努力。
- コストの大幅な削減、スピードの向上、またはビジネスのための測定可能な改善を実現する革新的なソフトウェアを生産する努力。
税額控除の対象となる経費とは?
控除の対象となる研究開発費を特定し、適切に文書化することは、この税制優遇措置の申請と税額控除の維持を成功させるための重要な要素となります。1 つの重要な包括的な要件は、費用が米国で発生したものでなければならないということです。米国外で行われた研究によって発生する費用は、事業費控除の対象となる可能性はありますが、研究開発の税額控除の計算からは除外する必要があります。税額控除の対象となる経費には以下が含まれます。
- 米国内で行われた作業のための W-2 賃金
- 米国を拠点とする請負業者のコスト、派遣社員、スタッフの増強、場合によってはプロの技術コンサルタントの費用
- 開発、品質保証、ユーザー受入テストのホストに使用される仮想サーバーを含むクラウドコンピューティングの費用
- 開発の努力のために使用されたサプライ(ある場合)
一般的に、研究に失敗した場合の損失の財務リスクと完成品に対する一定の権利の両方を保持している場合、事業者は税額控除を申請する資格があります。契約が絡む場合には、どの当事者が関連費用の研究開発の税額控除の請求権を持っているのか、契約条件の慎重な分析が必要になる場合もあります。
研究開発の税額控除の計算と文書化
研究開発の税額控除を適正に計算する上で最も難しいのは、対象となる経費を正確に把握し、活動内容を文書化することです。計算自体は、過去3年間に発生した類似の費用の割合と当期費用を比較しています。もう少し計算を行うと、結果的に得られる控除額は、一般的に当期の経費の5~8%となることがわかります。
実際に行った活動を文書化することは、対象となる費用を特定して計算すること、そして、控除を維持するために重要です。米国内国歳入庁(IRS)の審査に選ばれた場合、IRS は、チームが実行する作業の支援を期待しています。選択した情報を毎年取得して維持することが重要です。
仮定をしないこと
研究開発の税額控除の資格を得るための第一歩は、税金の控除を受けるのは、Microsoft や Google だけではないことを理解することです。新製品、プロセス、システム、プラットフォーム、ポータルを開発したり、改良を行った場合、税額控除の対象となる費用が発生する可能性があります。税額控除の詳細と、貴社のどのような事業活動が税額控除の対象となる可能性があるかについては、弊事務所の専門家にご連絡ください。